英語教科書プログレス >> ここに注目!
PROGRESS IN ENGLISH / PROGRESS21
やっかいな教科書。得るものも大きな教科書。
プログレスには検定外教科書ならではの良いところ、悪いところが混在しています。
このページでは、学ぶ側も教える側も扱いにくい部分に注目し、いくつかご紹介いたします。
ここで挙げているテーマは、過去に実施いたしました企画、「質問コーナー」に弊社サービスをご利用の会員様より寄せられた質問の中からピックアップしています。
一部、学習指導要領を超えるものも御座いますのでご了承下さい。
Mrs. / Miss. / Ms.って何?
プログレス21教科書/BOOK1−Lesson1より
Mr.(Mr)はmisterの短縮形ですが、Mister Katoとは表記されず、Mr. Katoとして使われます。
今回のテーマは、特にMrs./Miss.について、言語学上、明らかな事実が存在しないことから、1つの語源に断定することができません。
Wikipediaによれば、Miss.、Mrs.は「 mistress の短縮形」です。
歴史を見るとMrs.は既婚者、未婚者両方に使われていて、17世紀にMrs.とMiss.に分かれ始め、20世紀になってさらにその二つの語の「合成語」としてMs.が誕生します。
Ms.は1970年代にアメリカで流行し、1973年に国連で公式採用されたそうです。
(一部地域の"方言"で、Mrs.とMs.の発音がまったく同じになるなど、いくつかの要因が影響して、普及率という点では伸び悩んでおり、むしろ減少しているという説もあります。)
この合成語Ms.のオリジナルもmistressになってしまうかも知れませんが、当然のことながら、Mistress Katoとは絶対に言ってはならないしそう読むこともありませんので、短縮形というより「語源」と言った方がよいかもしれません。
「Miss はそもそも短縮形ではない」とか、「Mr's(Mister's)からMrs.が生まれた」とか、諸説紛々ですが、Ms.は、Mrs.とMiss の「合成語」であることは確かなようです。
疑問文・否定文では"any"が普通?
プログレス21教科書/BOOK1−Lesson14より
some と any の使い分けを考える際は、
「肯定文=some、 否定文・疑問文=any」ではない
ことに注意が必要です。
一般的に、
「Yes/No で答えられる疑問文では any」
「疑問詞で始まる疑問文では some」
のように使い分けるためです。
さて、
Why do you want some paper?
Why do you want any paper?
正しいのはどちらでしょうか?
疑問文の趣旨が「紙そのもの」ではなく、「目的」にある場合、"some"を用いることが適切です。
もちろん、"any paper"としても文法的には正しいのですが、その場合は
<質問者が「紙」に対して非常にこだわっていて、専ら紙を強調したい>
という意図を持っているようなニュアンスになります。
Why do you want some paper? なぜ紙が欲しいの?
Why do you want any paper? なぜ(とにかく1枚でもいいから)紙なんか欲しいの?
従って、文法的には"some"と"any"のどちらでも正答となりますが、一般的な表現としては"some"がふさわしいことになります。
※この点は、プログレスの教科書でも、特に旧版では多く扱われています。
尚、「Yes/No で答えられる疑問文」でも"some"を用いることが多いため要注意です。
- a) Do you want some help? お手伝いしましょうか?
- b) Do you want any help? (何をしたら良いかわからないけど)お手伝いしましょうか?
- ※ b) の表現は、あまり手伝う気がないようなニュアンスになります。
- c) Would you like some cake? ケーキはいかがですか?
- d) Why don't you eat some cake? ケーキを食べようよ。
- ※ c) / d) の表現は、相手の Yes を誘う(期待する)ニュアンスになります。
"There is 構文"で、最初の主語が複数あるときは?
プログレス21教科書/BOOK1−Lesson17より
プログレスの教科書内では、
<主語が2つ以上並んだ場合、be動詞の直後が単数ならばis 、複数ならばare>
と説明があり、確かにそれが一般的な表現と言えます。
しかし、there is[are]構文とは、本来、
A book is there 〜. → There is a book 〜.
のような「倒置法」であることを考えると、
並んだ主語を「まとめて見た場合」と、「個々に見た場合」とで、
使用するbe動詞が異なることに気が付きます。
まとめた場合:A book and a pen are there 〜.
個々の場合: A book is there 〜. A pen is there 〜.
文法的にどちらも正しい解釈で、文法書によって表記が分かれているのが現状です。
条件節の中では未来形を使えない?
プログレス21教科書/BOOK2−Lesson2より
条件節の中に未来形を含む、次のような英文は誤りでしょうか?
If we're going to go fishing, we need some worms.
結論から申し上げますと、これは正しい英文です。
「条件節の中では未来形を使えない」、のように一般に思われがちですが、
正しくは「単純未来を使えない」、となります。(例: If it rains, ・・・.)
従って、be going to や will について、「意志未来」を表す場合には if節の中で使用することが可能です。
また、逆に使えなければ、言葉としても困ってしまいますね。
If you go, I will go. (もし君が行ったら、僕も行くよ。)
If you will go, I will go. (もし君が行くつもりなら、僕も行くよ。)
副詞の最上級に"the"は厳禁?
プログレス21教科書/BOOK2−Lesson4より
伝統的な文法論では、
「名詞のつかない最上級(副詞や補語としての形容詞)には "the" がつかない」
という通説です。
しかし、実際には"the"をつける傾向が強く、昨今は半々で混在している状況で、ネイティブにおきましても、口語では特に"the"が多用されております。
例) I like summer best. / I like summer the best.
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